毎年、2月から3月になりますとスギ花粉症になやまされる方が多くいらっしゃると思います。
ここでは治療ならびに予防などについてお話いたします。
花粉症はどうして起きるの?
体の中に花粉のような異物(=いわゆるアレルゲン)が入ってきて過敏に反応することを「アレルギー」と言います。
1. アレルギー反応が起きる
- 花粉(=アレルゲン)が侵入してきますと、血液中のリンパ球がアレルゲンを侵入者と判断し「抗体」というものをつくり、この「抗体」は肥満細胞にくっつくようになります。
- さらに、もう1度花粉が侵入してくると肥満細胞からアレルギー誘発物質である「ヒスタミン」が放出されます。 このことを「アレルギー反応」と言います。
2. 炎症が発症して、かゆみの症状がでる
- 目の血管に存在する「H1受容体」にヒスタミンがくっつくことにより、血管が拡張・血管透過性亢進が起き「結膜の発赤、充血」が起きます。
- 又、結膜にある神経(=三又神経といいます)にも「H1受容体」があり、そこにヒスタミンがくっつくと「かゆみ」や「流涙」といった症状が起きます。
病院で処方される目ぐすりについて
1. 抗アレルギー点眼薬
アレルギー反応をおさえるおくすりで、肥満細胞の膜を安定化させることにより炎症の原因であるヒスタミンの放出をおさえるくすりです(インタール・リザベン・アレギサールなど)。
2. 抗ヒスタミン点眼薬
ヒスタミンが
- 血管につくのをおさえ充血をおさえる
- 神経にくっつくのをおさえかゆみをおさえる
という目的があるおくすりです(リボスチン・ザジテンなど)。
3. ステロイド点眼薬
アレルギー反応をおさえたり、炎症をおさえるおくすりです。
このくすりは、眼圧上昇などの副作用がおきることがあるため2週間に1回ほどは、眼圧などの定期検査が必要になります(フルメトロンなど)。
1剤で抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤の両方の効き目のある目ぐすりもあります(パタノール)。
予防的な治療法(初期療法)
花粉が飛んでくる前から目薬を使いはじめる方法です。
花粉の季節の2週間前から坑アレルギー点眼薬をつかうことにより、症状が現れてもかゆみが軽くなる方もいらっしゃいます。
2月にはいってから予防的に目薬をはじめられてはいかがでしょうか。
実際のくすりのつかい方
- 抗アレルギー点眼薬のみ使用する(インタール・リザベン)
- 坑ヒスタミン点眼薬のみ使用する(リボスチン・ザジテン)
- 坑アレルギー点眼薬と抗ヒスタミン点眼薬を併用する(パタノール)
※それでもかゆいときは、ステロイド(フルメトロン)を使います - ステロイド点眼薬と坑アレルギー点眼薬を併用
- ステロイド点眼薬と抗ヒスタミン点眼薬を併用
- 3種類とも併用する
ステロイドは眼圧上昇などの副作用がありますのでかゆみが少ないときはお休みしてください。
日常生活で気をつけること
- 花粉情報に気をつけましょう
テレビやラジオの、その日の花粉の飛散量に注意しましょう。
又、風の強い日も飛散量が多くなります。 - ストレスをためないように
ストレス・睡眠不足などにより自律神経のバランスが崩れると症状が悪化するといわれています。 - 外出するときにはマスクやメガネを
防護用のメガネは市販の薬局でも売っています。
正直言ってあまりかっこいいのはないですが、症状が強い方はそんなことは言っていられません! - 衣服についた花粉を家の中にいれないこと
帰宅時に、衣服についた花粉をふりはらって家の中に少しでも花粉を入れないようにしましょう。 - こまめに部屋の掃除をする
空気清浄機も役に立つようです。 - 床や畳にカーペットを敷かないようにする
以上のような工夫をしておかれることをお勧めいたします。
症状が気になったら
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